民主党新政権が掲げる政策のうち、産業界と私たちの暮らしにもっとも大きな影響を与えそうなのは「温暖化ガス1990年比温暖化ガス25%削減」だ。2020年までにこの数値目標を達成しようというのだ。この意欲的な温暖化ガス削減計画は、2009年9月22日に開かれた国連の気候変動サミットで鳩山首相が表明演説し、世界各国から称賛された。
2020年という期限まで約10年。目標に近づくためには、電力、製造、輸送などの産業はもとより、店舗の冷暖房と照明の効率化や、各家庭の省エネ化などの施策を急いで推し進める必要がある。産業構造も変わるだろう。現時点で具体的な政策については不明だが、経済構造にも大きな影響があるだろう。
2009年9月に民主党新政権が発足し、主要政策の1つとして温暖化ガスの削減が上げられている。民主党は衆議院選のマニフェストに「CO2等排出量について、2020年までに25%減(1990年比)、2050年までに60%超減(同前)を目標とする。」と宣言し、新政権はどうやら本気でその数値目標を実現しようとしているようだ。
マニフェストの削減目標は海外でも大きく取り上げられ、衆議院選挙での民主党優勢の報道によって、ロンドンの欧州気候取引所のCO2排出枠の価格は10営業日連続で史上最高値を更新し、1カ月で4倍以上に暴騰した(出典:週刊朝日9月18日号「民主党政権1年後の日本」)。
その理由は、25%削減の目標を達成する手段の1つに「排出枠」の取引があり、枠の余った会社と不足している会社で売買できる仕組みになっていることだ。市場は、日本の大企業が「排出枠」を買ってくると読み、排出枠価格が暴騰したのである。
もちろん自民党前政権も温暖化ガスの削減には取り組んでいた。2009年6月に「2005年比15%減(1990年比8%減)」という政府方針を表明しているが、新政権の「1990年比25%減」はその3倍という高いハードルである。
民主党新政権はこの目標を実現するための仕組みとして、石油、石炭などの化石燃料の利用に課税して、CO2の排出を抑える「地球温暖化対策税」(環境税)を想定しており、温暖化ガスの国内排出量取引制度とあわせて2011年度には導入したいと表明している。
温暖化ガス1990年比25%削減という政権公約にはいくつかの前提が掲げられている。鳩山首相の発言から、下記に要旨を抜粋する。
5については、鳩山首相の演説は好評で、新政権を注視する各国首脳に強い印象を与えたと報じられた。
ただし、数値目標は数字が一人歩きしがちなものだ。「25%削減」だけが日本の国際公約ではなく、世界各国との合意と連携による国際枠組みによって実現しようとしていることに注意したい。
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