SMBCコンサルティング視野が広がると、ビジネスは拡がる

TOP > ビジネスプレス> 経営サポートガイド> 財務・税務トップ

実務ガイドNew!

財務・税務vol.20

中小企業の財務と税務ベーシック講座 第6回 「法人における事業承継対策(2)」 分散した株式の買い取りと納税資金の調達について

公認会計士・税理士 笹島 修平

株式会社タクトコンサルティング取締役。税理士法人タクトコンサルティング代表社員。1999年公認会計士・税理士登録。同年、株式会社タクトコンサルティングに入社。2001〜05年まで慶應義塾大学非常勤講師として「戦略的税務会計特論」にて、企業組織再編・M&A・事業承継・相続等の教鞭を執る。07年中小企業庁「相続関連事業承継法制等検討委員会」委員を務めた。

事業承継においては、遺産分割の方針に問題はないか、納税資金は不足していないかなど、対策のポイントは企業ごとに異なりますが、いずれにしても、早い段階から計画的に検討していくことが非常に重要になります。

前回に引き続き、事業承継の計画を立てる際のヒントとして、相続税・贈与税の負担が大きく軽減される新事業承継税制について、そのポイントを紹介します。

(1)株式が分散している場合について

現経営者が、後継者以外のご子息に株式を贈与してしまっているケースがよくあります。親が経営しているうちは良いのですが、後継者の代になると後継者以外の株主との間で摩擦が生じることがあります。創業100年近い会社になると、数回の相続により株式の分散化が進み、後継者以外の人が所有する株式が過半数を超えていることもあります。このような状況は、安定した経営に影響を与えかねません。

それを避けるため、最近では事業承継前に分散した株式を買い取るケースも増えてきました。ただし、買い取りには多額の資金が必要になるため、事前に買い取りの方法や価額を慎重に検討しなければなりません。

買取価額は、ケースバイケースですが、時価で取引することが原則です。しかし、非上場企業の場合、時価の計算が難しいため、DCF法、時価純資産価額、所得税法基本通達59-6の評価額、財産評価基本通達による評価額を参考にして時価を算定します。売買の目的、当事者間の関係などにより、時価の算定方法も異なりますが、一般的に兄弟など個人間での取引では、財産評価基本通達による評価額により買取価額を決定することが多いようです。

記載された情報は一般的な情報であり、実際にご活用される場合には、別途専門家とお打合せ下さい。