事業承継においては、遺産分割の方針に問題はないか、納税資金は不足していないかなど、対策のポイントは企業ごとに異なりますが、いずれにしても、早い段階から計画的に検討していくことが非常に重要になります。
前回に引き続き、事業承継の計画を立てる際のヒントとして、相続税・贈与税の負担が大きく軽減される新事業承継税制について、そのポイントを紹介します。
現経営者が、後継者以外のご子息に株式を贈与してしまっているケースがよくあります。親が経営しているうちは良いのですが、後継者の代になると後継者以外の株主との間で摩擦が生じることがあります。創業100年近い会社になると、数回の相続により株式の分散化が進み、後継者以外の人が所有する株式が過半数を超えていることもあります。このような状況は、安定した経営に影響を与えかねません。
それを避けるため、最近では事業承継前に分散した株式を買い取るケースも増えてきました。ただし、買い取りには多額の資金が必要になるため、事前に買い取りの方法や価額を慎重に検討しなければなりません。
買取価額は、ケースバイケースですが、時価で取引することが原則です。しかし、非上場企業の場合、時価の計算が難しいため、DCF法、時価純資産価額、所得税法基本通達59-6の評価額、財産評価基本通達による評価額を参考にして時価を算定します。売買の目的、当事者間の関係などにより、時価の算定方法も異なりますが、一般的に兄弟など個人間での取引では、財産評価基本通達による評価額により買取価額を決定することが多いようです。
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