ビジネスチャンスをつかもうとモノとヒトが集まる場所が見本市(展示会)だ。私は見本市が好きである。雑誌編集に携わる者として情報の鮮度は重要で、さまざまな出展者がしのぎを削り、新しいモノを発表する場を見て回るのは、とにかく楽しい。
「これはヒット商品となるのでは……」。そんな商品に出会ったときは、広い会場を歩いた疲れなど吹き飛んでしまうほどのワクワク感を感じるものだ。これはバイヤーも同じで、意外な掘り出し物に出会ったときは、バイヤーとしての高揚感や達成感を持つという。
私にとって馴染み深い見本市は、スイスのバーゼルで開催される国際宝飾・時計見本市、イタリアで開催される国際家具見本市(通称“ミラノサローネ”)、フランスのパリで開催されるシルモ・パリ国際眼鏡見本市などだ。日本でもここ数年、見本市への認知が広がり、東京ビッグサイト、インテックス大阪などで数多くの見本市が開催され出展者も増えてきた。
今年は景気低迷の煽りを受け、さすがに出展者・入場者を減らした見本市もあるようだが、環境・エコ系や新エネルギー系(太陽電池、燃料電池)など、テーマによっては来場者が激増したものもあるという。今年2月に開催された「第5回国際水素・燃料電池展」「第2回国際太陽電池展」は国内外から6万3000人もの来場者が集まり、昨年比23%増の伸びを記録し、関係者を驚かせた。また、4月に開催された「第1回次世代照明技術展」は初回にも関わらず大盛況で、1万6000人が来場。来年は会場を2倍に増設する予定だとか。最近なかなか聞かない“いい話”である。
来場者が激増した「第2回国際太陽電池展」
これらの見本市を主催したリード エグジビション ジャパン株式会社の石積忠夫社長は、“見本市産業の発展は経済の発展に通じる”と主張する。石積氏は積極的な事業拡大で、日本に見本市の概念を定着させたカリスマ的人物だ。彼が主張する通り、確かに見本市が開催されると出展者と来場者が利用するホテルや飲食店、会場の施工業者、輸送業、警備、アルバイトなど、さまざまな経済効果が見込まれる。
10数年前、東京ビッグサイトに初めて行ったときは、こんな広い場所が日本の商いに必要なのかという疑問もあったが、それは杞憂だった。いまでは常に人が溢れている見本市会場となっている。
東京ビッグサイトの広さは約8万平米。「巨大な箱」というイメージがあるが、世界の見本市会場のなかでは意外にも約60番目の大きさに過ぎない。世界一広い見本市会場は独・ハノーバーの会場で約50万平米。米・シカゴ、伊・ミラノ、仏・パリなど欧米には20万平米以上の会場が多く、アジアでも韓国、上海など見本市の拡張を急ぐ国も多い。
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