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第95回 復興特別法人税の申告実務への対応〜復興特別所得税の税額控除が重要ポイント〜
2013年2月6日作成
■復興特別法人税申告書の提出と納付
 平成24年4月1日以後に開始する事業年度から、法人は復興特別法人税の申告および納付に対応する必要があります。法人税の申告書とは別の「復興特別法人税申告書」を所轄税務署に提出のうえ、復興特別法人税を納付しなければなりません。
■復興特別法人税の算出方法
 復興特別法人税の額は、基準法人税額に対して10%を乗じた額です。基準法人税額は、別表1(1)を用いる通常の法人の場合、別表1(1)の2欄から3欄を引いて、5欄を加えた数値ですので、簡単に算出できます。
■源泉徴収された復興特別所得税の税額控除への対応
 法人が受け取る利子、配当等については、平成25年1月1日以後、25年間にわたって所得税だけでなく、復興特別所得税が併せて源泉徴収されます。源泉徴収された所得税は、従来どおり法人税から税額控除します。一方、源泉徴収された復興特別所得税は、復興特別法人税から税額控除することになります。源泉徴収された復興特別所得税は、復興特別法人税の前払いと考えれば、わかりやすいと思います。
■欠損でも復興特別法人税申告書の提出が必要?
 その事業年度が欠損(赤字)である場合、基準法人税額がゼロになり、復興特別法人税額もゼロになることが想定されます。一見すると復興特別法人税申告書を提出する必要がないようにみえますが、受け取る利子、配当等について復興特別所得税の源泉徴収がされている場合には、復興特別法人税額がゼロであっても、税額控除において控除しきれない復興特別所得税の額が生じることになります。復興特別法人税申告書に控除しきれなかった復興特別所得税の額を記載し、復興特別法人税申告書を提出することにより、控除しきれなかった復興特別所得税額の還付を受けることが可能になります。この点、3年間を経過し、復興特別法人税の課税期間が終了した後においても、利子、配当等についての復興特別所得税の源泉徴収はその後長期間続いていきますので、復興特別法人税申告書に控除しきれなかった復興特別所得税の額を記載し、復興特別法人税申告書を提出することにより還付を受ける対応が必要と考えられます。
■税額控除を行う復興特別所得税の額の計算方法
 復興特別所得税の源泉徴収は、所得税の源泉徴収と併せて合算で源泉徴収するルールになっています。所得税徴収高計算書(納付書)も1枚で納付が行われます。そこで、復興特別法人税申告書において税額控除する復興特別所得税の額をどのように計算するのかという点が問題になります。これについては、次のルールに基づいて、源泉徴収された所得税と復興特別所得税を配分計算することになります。
 まず「源泉徴収税額 × 2.1/102.1」(算式@)で復興特別所得税の額を求め、次に「源泉徴収税額 − 復興特別所得税額(算式@で計算)」(算式A)で所得税額を算出します。算式@の段階で求めた復興特別所得税額の1円未満の端数処理については、50銭超は切上げ、50銭以下は切捨てという端数処理を行うルールになっています。
 原則は、支払いを受けるごとに配分計算しますが、一定の簡便な方法で配分を行うことが認められます。すなわち、別表6(1)上の「預貯金の利子および合同運用信託の収益の分配1」については、支払いを受けるごとに配分しないで、期末に一括して配分処理を行う方法が認められます。また、別表6(1)上の「公社債の利子等2」、「剰余金の配当、利益の配当および剰余金の分配3」、「集団投資信託の収益の分配4」については、所有期間按分計算について簡便法適用の場合には銘柄ごとに期末一括配分処理が認められますが、所有期間按分計算について個別法を適用している場合には、原則法(支払いを受けるごとに配分処理)による必要がある点に留意が必要です。
別表6(1)の欄の分類 原則 容認(簡便法)
預貯金の利子および合同運用信託の収益の分配1 支払いを受けるごと 期末一括
公社債の利子等2 銘柄ごと期末一括
(所有期間按分計算の簡便法の場合)
剰余金の配当、利益の配当および剰余金の分配3
集団投資信託の収益の分配4
その他5 ―――
講師プロフィール
太田達也 写真
新日本監査法人 公認会計士 太田 達也 氏

略歴:昭和56年慶応義塾大学経済学部卒業。第一勧業銀行(現 みずほ銀行)勤務を経て、昭和63年公認会計士第2次試験合格後、太田昭和監査法人(現 新日本監査法人)入所。平成4年公認会計士登録。主に上場企業の監査業務を経験した後、現在同法人のデータバンク室にて、会計・税務・法律など幅広い分野の助言・指導を行っている。冷静かつ鋭い分析力と、実務経験に裏打ちされた的確なアドバイスは高い信頼を得 ている。また、各種実務セミナー講師としても活躍中で、複雑かつ変化のめまぐるしい会計及び税実務に精通し、実践的でわかりやすい講義には定評がある。

著書:「不良債権の法務・会計・税務」「商法決算ハンドブック」「四半期開示なるほどQ&A」「完全図解 外形標準課税のすべて」「完全図解 連結納税のすべて」「完全図解 減損会計のすべて」「自己株式・法定準備金・新株予約権の法務・会計・税務」「金融商品の会計と税務」「会社分割の法務・会計・税務(編著)」「減損会計の仕組みと業種別対応のすべて」「平成13・14年改正商法の実務Q&A」「改正商法の完全解説(改訂増補版)」「会計便利事典(編著)」(税務研究会出版局)ほか、雑誌「経営財務」などに執筆多数
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