【Q】健康保険料や厚生年金保険料は、どのように決定されるのか?
従業員が増えるにしたがって、厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料といった法定福利と呼ばれる保険料の負担が大きくなっています。これらの保険料は、どのように決定されるのか教えてください。
【A】法定福利の保険料の決定方法は大きく分けて二つ
標準報酬月額に、保険料率を掛けて算出する
健康保険料(介護保険料を含む)、および厚生年金保険料は、月単位で定められ、その月の分を翌月の末日までに納付しなければなりません。
まず、入社時に個々の従業員の給与月額(通勤手当や見込残業手当てを含む)に基づいて標準報酬月額が決定(これを取得時決定という)され、その標準報酬月額に保険料率を乗じて、毎月の保険料を算出します。その後は、毎年4月、5月、6月の3カ月間に支払った給与平均額に基づいて、その年の9月分からの標準報酬月額を決定(これを定時決定という)し、その後1年間の保険料が算出されます。
現在の健康保険料率は1000分の82(満40歳以上65歳未満は介護保険料率12.5/1000と合わせて94.5/1000)、厚生年金保険料率は、一般の会社の場合1000分の142.88と定められており、算出した保険料は労使折半で負担する仕組みになっています。
標準報酬月額が決定されると、定時決定、随時改定によって標準報酬月額が変更されない限り、毎月支給される給与の変動(例えば、残業手当の変動)にかかわらず、一定の月額保険料を給与から控除することになります。
労災保険料・雇用保険料は、毎年差額計算をしていく
労災保険料は全額事業主負担であるのに対して、雇用保険料は労使折半です(雇用3事業分として事業主負担が若干多い)。二つとも毎月保険料を納付するのではなく、1年(4月〜翌年3月)を単位にして、あらかじめ概算保険料として納付(金額により3期分納可能)し、年度終了後に確定した1年間の給与総額に保険料率を乗じて差額精算をします。この保険料確定作業およびその申告納付のことを年度更新といい、毎年差額精算をしていく仕組みになっています。
労災保険料は、給与総額に5/1000から129/1000までの事業の種類ごとに分類された保険率を乗じて算出します。雇用保険料は、給与総額に下表の雇用保険率を乗じて算出しますが、労働者負担分については、毎月の給与総額に労働者負担分を乗じて保険料を算出し、毎月源泉控除します。
| 事業の種類 | 保険料率 | 事業主負担分 | 労働者負担分 |
|---|---|---|---|
| 一般の事業 | 19.5/1000 | 11.5/1000 | 8/1000 |
| 農林水産・清酒製造業 | 21.5/1000 | 12.5/1000 | 9/1000 |
| 建設の事業 | 22.5/1000 | 13.5/1000 | 9/1000 |
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「解決情報」の内容につきましては、作成時点における事実や一般的な解釈を示したものである点をご了解の上、ご活用下さい。
社会保険労務士 朝比奈睦明(2006年2月更新)
<お薦めセミナーはこちら>
- Web型サービス:SMBC経営懇話会
- 社会保険の実務 重要ポイント総点検
- 社会保険・労働保険の届出と手続き 【全2講-10/5・10/12】
- 育児休業中の社会保険料はどうなる?
- 疾病により休職する社員のための公的給付はあるか?