【Q】持ち株会社の設立の仕方が知りたい
創業者一族(ア)が株主になっている、製造業を営む会社(A社)、他に2社の法人(B社、C社)及び当一族が保有する関連会社(D社)があります。持株会社導入を検討する上での留意点を教えて下さい。
【A】持株会社導入にあたり課税の繰延の対象となるか否かに注意
新規事業の立上げが容易、事業承継の円滑化などのメリットがある
持株会社には純粋持株会社と事業持株会社の二つがあり、その方法は1)自らの事業を子会社に移し(または会社分割し)持株会社となる抜殻方式2)持株会社を株式移転により新規に設立する株式移転方式3)株式交換により既存の会社を持株会社とする株式移転方式、の三つがあります。
持株会社化のメリットは、業績評価が容易、経営責任の明確化、新規事業の立上げが容易、事業承継の円滑化、などで、デメリットは労使間の関係が不明確になる、横との連携に支障をきたす、管理費が増加する、などがあります。
D社を持株会社とし、その下にA社、孫会社としてB・C社を置く株式移転の場合、まず1)アが保有するA社株式をD社に譲渡し、2)D社は新株をアに発行することで、創業者一族(ア)−D社−A社−B・C社という資本構成となり、D社が持株会社となる体制ができます。
条件によっては、帳簿価額のまま株式を交換できる
この場合の問題点は、アが保有するA社株式をD社株式に交換するに際し、D社株式の取得価額がA社株式の時価となるか簿価となるかです。原則は交換株式(A社株式)の時価が新たに取得する株式の取得原価となり、交換時に譲渡損益が発生します。
一方、A社株式の帳簿価額をそのまま引き引継ぐことが税務上可能で、この場合、交換に際し課税されることはありません。その条件は、1)A社各株主の株式帳簿価額の合計額以下でD社がA社株式を受入れること2)D社が交換対価としてA社株主に交付する株式が、総交換対価の95%以上であることです。
中小企業にとって事業承継は大きなポイントであり、事業再編はその一つの方法ですが、その手続き・取扱いは様々ですので、目的を明確にし、手続面・税務面で専門家に相談することをお勧めします。
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公認会計士・税理士 田村 壱、リブロコンサルティング所属(2006年4月更新)