【Q】売掛先の個人再生にどう対処する?
個人営業の売掛先が支払いを滞納しているので請求したところ、個人再生を申し立てると言われました。どう対応すればよいですか?
【A】不当な申立には反対票を集めるなどの対応も
無担保負債が5000万円以下の場合、個人再生が利用できる
民事再生とは、債務者が自主的に立案した弁済案を裁判所の関与のもとで実施して債務の減免を得て再建する手続です。
個人の売掛先が利用可能な手続には、通常の「民事再生」と「小規模個人再生」の二つがあります。
無担保の負債が5000万円を超える場合は通常の民事再生手続を利用するほかありません。この場合、債権者集会で出席債権者の過半数で債権額の1/2以上の承認があれば、弁済案(再生計画といいます)が承認され、債務の減免が認められます。これは積極的に承認を取り付けなければならず、比較的厳格な手続です。
一方、無担保負債が5000万円以下の場合には小規模個人再生手続の利用が可能です。この手続は、債権者から「消極的な同意」を取り付けるだけでよいため比較的容易です。概ね次の三つの要件が必要です。
[1]将来継続的または反復して収入が得られる見込み
[2]債権者の消極的同意
書面で再生計画案に反対の回答をした債権者が債権者総数の半数未満で、その債権額が債権総額の1/2を超えないこと。積極的な反対がなければよい訳です。
[3]最低弁済額
債権の1/5または100万円のいずれか多い額(上限は300万円)を通常3年で弁済すること。
個人再生も背水の陣に変わりはなし
債務者はいったん民事再生の申立をして裁判所から保全処分などの決定を受けた後は取下ができません。債権者の同意が取り付けられなければ必然的に破産となるため、民事再生の申立は背水の陣となります。
そのため債務者は民事再生に言及しつつ、同意の取付の打診をしているか、任意整理を画策している可能性があります。
債権者としては、資産隠しなどがないか調査しつつ、民事再生申立が妥当かを判断し、不当な減縮を計画しているときは反対票を集めるなどの対応をすることになります。
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弁護士 井手 大作、リブロコンサルティング所属(2006年7月更新)