【Q】株式公開に向けた事業計画の作り方
株式公開に向けて準備を始めたいと考えています。事業計画書を作る上で、大切なポイントを教えてください。
【A】経営者の強い目標達成意思と社員の自主的な行動を引き出す環境をつくることが大切
準備期間に3〜4年はかかる。プロジェクトチームを作ろう
株式公開に向けての準備としては、まずプロジェクトチームを編成し、経営管理体制、持ち株関係、事業計画などの現状把握を行います。その後、安定株主作りや創業者利潤を考えた資本政策の立案、組織的経営のための経営管理制度の整備、関係会社や役員との取引の整理・見直しなど、やるべきことはたくさんあります。
準備期間として少なくとも3〜4年を要しますので、公開について明確な目標意識を経営者が持ち続けることが大切です。個人経営から組織経営への脱皮ですので、主な幹部社員の自主的な参画意識も大切となります。
公開審査の「実質基準」と言われるものは、事業計画の達成状況と、達成する能力を会社が有しているかどうかの審査です。マザーズ、ヘラクレスなどの新興証券市場では、事業計画そのものが成長性や収益力のあるものでなくてはなりません。単年度計画に落とし込んだ段階で達成されているか否か、仮に達成されていない場合には適時・適切に対策ができているかどうかが審査されます。
計数管理体制とともに、意図した通り実行できる社内体制を構築
事業計画では経営理念を明確にし、中長期・単年度計画を計数に落とし込み、実績と計画の乖離(かいり)を常時把握する必要があります。そのために計数管理制度の整備・運用と内部統制制度の確立が必要です。
前者は目標管理のための制度で、月次決算制度(最低翌月10日までには作成)と予算管理制度です。目標達成への対応が経営者個人の勘や恣意的な決定でなく、組織的になされていることが大切です。後者は経営資源を安全かつ効果的に事業に投下して利益を生み出すために、会社が意図した業務を意図した手順で遂行・報告される体制にすることです。
両制度とも経営者の強い意思と全社員の協力があってできるもので、個人の力だけでは当然不可能なことです。
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公認会計士・税理士 田村 壱、リブロコンサルティング所属(2005年9月更新)