【Q】特許の「米国特許制度の仮出願制度」とは?
米国の特許制度の「仮出願」について、そのメリットとデメリットを教えて下さい。
【A】後に通常の米国出願をすることを前提として行う「仮の出願」
日本語等、英語以外の言語で記載された明細書で行うことができる
「仮出願」とは、文字通り「仮の出願」であって、審査されず、その出願日から12カ月以内に仮出願を優先権主張の基礎として「通常の特許出願」をしないと、その仮出願は自動的に放棄される出願です。なお、ここでいう「通常の特許出願」とは、米国内の正規の特許出願や、日本等の米国以外の国への特許出願、あるいはPCT出願のことをいいます。
仮出願は審査されないので、その出願料は160ドル(約2万円)です。このように、通常の米国特許出願料1000ドル(約12万円)に比べて費用が安いというメリットがあります。また、仮出願は日本語等の英語以外の言語で記載された明細書で行うことができ、仮出願の段階では英語による翻訳文は要求されません。
さらに仮出願は、通常の米国出願よりも方式要件が少ないというメリットがあります。例えば、通常の米国出願のように明細書にクレームを記載する必要が無く、情報開示や宣誓供述書等を全て揃える必要がありません。
後の特許出願の存続期間は、仮出願日から最大で21年になる
そして、仮出願を基礎とする後の特許出願は、その特許出願の出願日から存続期間が起算されます。したがって、後の特許出願の存続期間は、仮出願日から最大で21年になります。また、後の特許出願の基礎とされた仮出願において、後の特許出願に関する記載があれば、後の特許出願でクレームされた発明の新規性および進歩性の有無は、仮出願でサポートされた範囲で、仮出願日を基準として判断されます。
しかし、通常出願をする際、通常通りの料金および手続が必要になるので、仮出願制度を利用しない場合に比べて割高になります。
したがって仮出願制度は、企業戦略、特に特許戦略上、米国がどのように位置づけられるかで、利用する意味が異なってくると思います。
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「解決情報」の内容につきましては、作成時点における事実や一般的な解釈を示したものである点をご了解の上、ご活用下さい。
弁理士 本田 昭雄(2006年10月更新)
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