【Q】登録商標を保有している場合、保有の事実を表示しなければならないか?
先日、音楽CD関係について商標登録を受けることができました。著作権の場合、著作権が存在することを示す表示をよく見かけますが、弊社の販売するCDに表示する商標についても、それが登録商標である旨の表示をしなければならないのでしょうか。表示しないと何か罰則があるのでしょうか。
【A】商標権者には商標が登録商標であることを知らせる商標登録表示義務がある
商標登録表示の義務は法律でも定められている
日本では、商標権は登録により発生することが商標法に定められています(商標法第73条)。一度発生した商標権の効力は、使用する商標が登録を受けている商標である旨を表示しているかどうかには影響を受けません。そのため、販売しているCDに表示している商標について、それが商標登録である旨の表示をしていなくても商標権を行使する上で直接的に不利になることはありません。
ただし、登録商標を付した商品等が模倣の対象となるのを防ぐため、事前にある商標が登録商標であることを知らせることは意義のあることです。商標法では登録商標について登録表示を義務づけ、商標権者に登録商標の管理を促しています。
放置すると将来困ったことになる場合も
実際には使用している商標が登録商標であることを表示しなくても罰則規定はありませんので、実務上登録商標について、それが登録されている旨を表示されていない場合もあるかもしれません。
しかしながら、登録商標についてきちんと管理せず、放置した場合には誰もがその商標が登録されているものとは気づかずに自然に普通名称化する場合があります。例えば、アスピリンやホッチキスなどは、元々登録商標でしたが、事実上誰もが使える言葉になりました。この状態に至ると、たとえ商標権者といえども差止請求や損害賠償請求等の商標権の行使ができなくなります。
やはり日ごろから登録商標については、それが登録されている旨を表示し、きちんと商標権を管理していきたいものです。
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弁理士 平野泰弘(2006年11月更新)