【Q】役員にストックオプションを与えたいが?
経営への責任を持たせるため、取締役にストックオプションを与えたいと考えています。税制上有利になる場合とそうでない場合があると聞きましたが、違いは何ですか?
【A】権利行使時の所得区分と、ストックオプション税制の適用の有無が主な違いです
ストックオプション税制の適用で、譲渡時まで課税の繰延ができる
ストックオプションについては、権利付与時、行使時、株式譲渡時にわたり、個人及び法人についてその会計処理、税務処理に注意が必要となります。
まず、権利付与時に課税関係は生じません。
権利行使時には、個人は一般に給与所得として、一定の場合には退職所得及び雑所得として課税関係が生じます。ただし、ストックオプション税制により株式譲渡時まで課税の繰延ができ、この適用を受ける場合が多いようです。法人においては個人の所得区分に応じて税務的に費用となるか、費用とならないかの取り扱いが異なります。
また、退職所得に該当するのは、「退職した場合に限り権利行使を認めていること」、「一括して行使しなければならないこと」など様々な条件を満たすことが必要であり、権利付与時に検討が必要です。
譲渡価格と権利行使価額の差額に課税
株式譲渡時には、個人に対し株式譲渡の課税が生じます。
ストックオプション税制(措置法29条の2)は、権利行使に係る利益が収入を伴わない等の観点から設けられている制度で、一定の要件を満たすストックオプションの権利行使に関し、権利行使価額の年間合計額が1200万円を超えない等の要件を満たす場合には、権利行使時に給与所得としての課税を行なわず、株式の譲渡時に「売却価額−権利行使価額」を株式の譲渡による利益として課税を繰延べるものです。
現在、株式譲渡の課税は、譲渡益に対し所得税15%、住民税5%(一定の場合には所得税7%、住民税3%)となります。
この適用を受けることができるストックオプションにはいくつかの規定が定められていますので、実行にあたっては専門家に相談し、よく検討してください。
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公認会計士・税理士 田村 壱、リブロコンサルティング所属(2005年9月更新)