【Q】医療法人の経営指標は?
医療法人を経営しています。患者数が減っているため、経営の見直しをしたいのですが、まずチェックすべき経営指標はどのようなものがありますか?
【A】診察実日数や季節変動を考慮して、患者数の増減を把握しましょう
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病院の規模により、把握すべき経営指標はかなり異なります。ここでは、外来患者のみを対象とする無床のクリニックを前提にお答えします。
単純な1カ月あたりの患者数の増減で一喜一憂しない
診療に忙しい院長先生が、クリニックの経営状態を正確に把握するのはなかなか難しいことです。しかし、月々の患者数の増減に一喜一憂するだけでは十分とは言えません。少なくとも、以下の三つの経営指標はつかんでおきたいものです。
まず、診療実日数当たりの来院患者を把握しましょう。当然のことですが、月間の診療日数が多ければ1カ月当たりの外来患者は増加し、少なければ減少します。日曜日を1日休診にして、ほかに週1日の半日休診日を設けている一般的なクリニックでは、日曜が月に4日か5日か、また祝日があるかどうかが、無視できない違いとなります。月間の外来患者数を実際に診療した日数で割って休診日による影響を除外した上で、患者数の推移を追うようにしましょう。
初めて来院した患者数の伸びを抽出し、地域への浸透度を図る
次に、前年同月比の来院患者数に注目しましょう。季節によって、来院患者数に大きな変動が生じる診療科目があります。内科であれば、風邪やインフルエンザがはやる冬場は、患者さんが増えてきます。耳鼻科であれば春先の花粉症のシーズンに、皮膚科であれば梅雨時から夏場にかけての水虫の時期に、それぞれ来院患者は多くなります。こうした季節による変動を除外するために、前の年の同じ月と比べた患者数を知っておきたいものです。
三つ目は、新しい患者の割合です。クリニックの“勢い”を見るためには、患者が新患か再来かを考える必要があります。初診料を算定した患者が、来院患者のどれくらいを占めるかを、レセプトコンピューターのデータから抽出して、その推移を把握するようにしましょう。ただし、新患と言っても、全く初めて来院した患者さんと、診療を中止して1カ月以上たって再び来院した患者さんに分けられます。開業してそれほど時間がたっていない診療所では、全く初めての新患の伸びに注目しましょう。診療圏の拡大や地域への浸透を表しているからです。
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日経BP社 医療局編集委員 井上俊明(2005年9月更新)