【Q】息子を責任者にしてフランチャイズチェーンに加盟したい
新規事業への進出を検討しています。息子に新規事業を任せたいと思い、フランチャイズビジネスへの加盟を検討しています。近い将来の本業での事業承継も念頭におき、注意点があれば教えてください。
【A】計画的に後継者育成を準備しよう
事業承継問題
近年中小企業を取り巻く環境の中で、「事業承継問題」は大きな課題となっています。中小企業庁の調査によると、中小企業経営者の平均年齢は57歳と徐々に高齢化しており、また後継者が決定している企業の割合は43%ほどに留まっています。開業者と廃業者の割合を見ても年々廃業者の数の方が上回っており、地域経済や日本全体の経済においても深刻な問題となっています。
後継者はある日突然必要になることもあるので、万一に備えて事業承継のための計画や準備育成を事前に行っておく事が必要です。事業承継の方法としては大きく分けて「親族内継承」「従業員への承継・外部からの雇い入れ」「M&A」の3つに分かれますが、いずれにせよ次のような準備が必要になります。
・社内への理解を促す
・取引先など外部への理解を促す
・経営幹部など社内体制の整備
・後継者教育
・事業計画の策定
・株式・財産の分配
・個人保証や担保の処理、など
もちろんこれらの課題も後継者あっての問題です。まずは計画的に将来の後継者を育成していく事が切実な問題といえるでしょう。
事業承継へのフランチャイズビジネスの活用
事業承継する社長の息子さんがフランチャイズに加盟し、経営するといったケースも少なくありません。FC加盟店(フランチャイジー)の経営体験は、後継者にとっては、経営者として一人前になるためのトレーニングにもなります。自分で従業員を雇い、お客さまに気配りをして、販促策を考え、売り上げを立てて、月次の損益など実際に自分が数字をつくるという経験を積んでいくことが可能で、経営者としての第一歩をスタートさせるにはとても良い方法でもあります。
フランチャイズシステムでは経験が少なくても、本部による研修やマニュアルを活用し、毎日お客さまに接していくことによって、少ないリスクで事業を運営することができます。また、自社にとっては既存事業とは異なった新しいビジネスとなるので、既存の幹部社員や関係者とのしがらみもあまり気にせず後継者育成ができるのも利点です。
あえて注意点を挙げると「後継者の自主性を尊重すること」「新規事業に対する育成支援を手厚く行うこと」「経営者としての人的ネットワークづくりを支援すること」などが考えられます。
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経営コンサルタント 島田 学 (2007年7月更新)