【Q】社員が通勤途中に事故に遭った時の対応は
社員が通勤途中に駅の階段で転び、足を骨折しました。当分の間、出勤できない状態です。健康保険証を病院に持参して治療を受けさせればいいでしょうか? 会社として行わなければならないことがあれば教えてください。
【A】通勤災害に該当すれば、健康保険証ではなく、通勤災害用の書類を使用する
労災指定病院、労災指定薬局かどうかを確認する
通勤災害とは、労働者が通勤により被った負傷・疾病・障害または死亡をいいます。この場合の「通勤」とは、就業に関して、住居と就業の場所との間を合理的な経路および方法により、往復することをいい、業務の性質を有するもの(業務上災害)を除いたものとされています。
会社帰りに同僚と居酒屋に行って食事をした場合などは、通勤経路が中断されたことになり、その後は通勤にはなりません。ただし、夕食の買い物をするなど、日常生活上の最小限の行為は、その通勤経路を逸脱した間を除いて、その後の往復は通勤とみなされます。
通勤災害に該当した場合、その従業員が通っている病院が労災指定病院かどうか確認しなければなりません。それにより、提出する書類、提出先などの手続方法が異なってきます。また、薬局が別になっている場合には、薬局についても労災指定薬局かどうかを確認し、そこから薬を処方された際には、薬局分として別途書類が必要になることも覚えておきましょう。
通勤災害により休業をした場合、給付金を支払う
通勤災害の負傷などによる療養のため、労働することができない場合には、その第4日目から休業給付と休業特別支給金が支給されます。支給額は次の通りです。
休業給付=(給付基礎日額の60%)×休業日数
休業特別支給金=(給付基礎日額の20%)×休業日数
給付基礎日額とは、業務災害または通勤災害の発生した日、もしくは医師の診断によって疾病の発生が確定した日(直前の賃金締切日)の直前の3カ月間に支払われた賃金の総額を、その期間の暦日数で割った1日当たりの賃金額のことです。
通勤災害では、休業の初日から3日目までの待機期間の休業補償義務はありませんが、業務上災害では、労働基準法の規定に基づく休業補償(1日につき平均賃金の60%)義務があります。この違いには注意してください。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「解決情報」の内容につきましては、作成時点における事実や一般的な解釈を示したものである点をご了解の上、ご活用下さい。
社会保険労務士 朝比奈睦明(2006年2月更新)
<お薦めセミナーはこちら>
- ご参加型サービス:SMBC経営懇話会
- 従業員の精神疾患・健康管理をめぐる法律と実務
- 社員が失踪した時の会社の対応は?
- 社員が仕事中に死亡した場合の初期対応は?
- 社員のメール監視をしたいが、プライバシー上問題があるか