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採用・教育コンサルティング会社・じんざい社の
柘植智幸社長に聞く


激変した2010年度採用市場と2009年新入社員研修の進め方 (その1)


買い手市場とはとても実感できない新入社員採用市場

――今、未曽有の大不況ということで、昨年までの学生の売り手市場から、一挙に企業側の買い手市場に転じたと言われていますが、新入社員の採用の第一線ではどうなっていますか

 → とても買い手市場とは実感できない新入社員採用市場

 今、企業が募集しているのは、2010年に入社する新入社員ですが、かれらは企業にとって初めての「ゆとり教育世代」なのですね。買い手市場だから、優秀な学生が集まると期待していた人事担当者は、一様にそのレベルに失望しています。この中から良い人を選ぶのは大変ですよ。「昨年の方がまだ良かった」と言うのが本音でしょうね。

 採用市場については、中堅中小企業は確かに採用ゼロが多いのですが、大企業の場合はバブル崩壊以降の採用の断絶の反省を踏まえて、採用数を減らしはしてもゼロにすることはまずありません。

 だから、有効求人倍率は2009年の新入社員は2.14倍でしたが、2010年は1倍を下回ることはないと予想しています。超氷河期と言われた2004年の0.7倍に比べると雲泥の差があります。有名就職媒体の掲載企業数をみても昨年が9000社、2004年は4000社、今年は7800社です。

 2倍を超えるのは異常な状態で、大学名にこだわらなければ受験勉強も経験せずに大学に入学できる世代を、企業が甘やかして入社させても戦力にはなりません。今、売り手と買い手と均衡になった正常な状態に戻っただけですよね


――「ゆとり教育世代 第一号」のレベルはやはりひどいのですか

 今度の「ゆとり教育世代第一号」と対面した企業の担当者はかなりの危機感を持ったはずです。つまり今年の新入社員の採用の時も学生のレベルの低下が問題となりましたが、今回はさらに悪いと言うのが本音です。
 私も就職学生向けにセミナーを開催していますが、アンケートを見ると愕然とします。敬語を使おうとはしないし、言い回しも幼く、平仮名ばかりの文章は目を覆いたくなります。何枚も読んでいると呆れ、怒り、そして終いには、絶望すら感じます。


――今回の不景気で学生の就職意識はどう変わりましたか

 昨年9月にリーマンブラザーズが倒産し、連日のように派遣社員の雇い止めや内定取消の問題が報道されていて、学生の意識が変わったように思われていますが、本当に危機感を持っているのは一部の優秀な学生だけです。
 彼らは危機意識も高く、昨年の先輩よりも就職活動が活発です。エントリーシートなどの提出書類の書き方もうまくなり、何回も面接を受けるうちに、立派な就活(就職活動)の達人に変身します。4月5月には昨年以上に内定が重複することになるでしょう。

 大部分の学生は、アルバイトの時給は下がっていないし、新聞もあまり読んでいないし、何より実体経済に疎いので、今回の経済危機を深刻に受け止めることができないのでしょう。

 そして、実はまだまだ就職しようとしない学生も相変わらず多いのです。昨年の求人倍率は2倍を超えていますから、就職活動をすれば、誰でも正社員になれたのですが、53万人卒業して就職したのは37万人です。大学院や親の家業を継ぐ、結婚などを除いた20万人近くは就職活動をしていないのですね。そのまま非正規社員を自ら選んだのです。
 隠れた大きな社会問題ですよね。


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