【Q】社会保険などは、事業所ごとに適用するのか?
ここ数カ月で、支店や営業所を地方に多数展開しはじめました。支店や営業所で雇った従業員の社会保険や雇用保険などの手続きをどこで行えばいいのかを教えてください。
【A】一定の条件を満たせば、本社で一括適用することができる
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社会保険・労働保険は事業所(事業所、事業場、工場、店舗など)単位で適用することが原則となっています。そのため、社会保険や雇用保険の手続きは、支店や営業所の所在地を管轄する社会保険事務所や労働基準監督署、公共職業安定所において、事業所ごとに手続きをすることになります。ただし、一定の要件を満たす場合は、本社でまとめて手続きをすることが可能になります。
社会保険(健康保険・厚生年金保険)は、支店に人事管理機能があるか否か
健康保険・厚生年金保険の場合、支店や営業所で賃金計算や賃金の支払業務が行われていないなど、主な人事管理機能が備わっていなければ、独立した一事業所としてみなされないため、本社で一括して手続きすることができ、事業所ごとに手続きする必要はありません。
逆に支店や営業所に人事管理機能が備わっている場合は、独立した一事業所としてみなされ、原則のとおり事業所ごとに取り扱う必要があり、新規に社会保険を適用させる手続きから行わなければなりません。なお、支店や営業所が独立した一事業所とみなされる場合でも、厚生労働大臣の承認を受けることにより、本社等に一括して適用することができます。
労働保険(雇用保険・労災保険)の場合、労災請求などに注意
労働保険の場合、一定の要件を満たせば、支店や営業所をまとめて雇用保険の事務手続きや労働保険料の申告納付を本社にて一括に取り扱うことができます。一方、支店や営業所が小規模で事務処理能力がない場合など独立した一事業所として認められない場合には、支店や営業所を管轄する公共職業安定所長の承認を受けることにより、本社を管轄する公共職業安定所で一括して被保険者に関する手続きを行うことができます。
従業員の労災保険の請求(給付)手続は、本社を管轄する労働基準監督署への一括手続きはできず、支店や営業所を管轄する労働基準監督署で手続きを行わなければならないので注意してください。
労働保険料の申告は、これまでのような独立した一事業所としての要件ではなく、同一の会社における支店や営業所であり、労災保険率が同一(労災保険率は、事業の種類ごとに異なる)などといった一定の要件を満たせば、厚生労働大臣の認可手続きを経て、支店や営業所ごとの労働保険料を本社で一括して納付することができます。
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社会保険労務士 朝比奈睦明(2006年7月更新)