SMBCコンサルティング

Business Watch

ヒット商品番付


2004年のヒット商品番付


「還流」商品ヒットの年

2004年12月2日発表

    西  
  『冬のソナタ』と韓流関連商品 横綱 該当なし  
  『世界の中心で、愛をさけぶ』 大関 アテネオリンピック放送  
  「アクオス」 関脇 「iPod」 技能賞
殊勲賞 イチロー 小結 「伊右衛門」  
  ななめドラム式洗濯乾燥機 前頭1 「FOMA900i」  
  「暴君ハバネロ」 前頭2 芋焼酎  
  コエンザイムQ10 前頭3 新型「クラウン」 敢闘賞
  ネットオークション 前頭4 「黒豆ココア」と黒酢  
  「ドラフトワン」 前頭5 美脚パンツ  
  みなとみらい線と元町・中華街 前頭6 楽天イーグルス  

技…技能賞 敢…敢闘賞 殊…殊勲賞 「」…商品名 『』…書籍名・作品名


 

今年2004年は、長期的な景気低迷からは脱却したものの、度重なる台風の上陸や新潟県中越地震などの天災に見舞われ、昨年に引き続いて大型ヒット商品が少ない1年だった。そのなかでも純愛、伝統などに回帰する「還流」商品がヒットするという傾向がみられた。


 


一昔前にあったような純愛への「還流」

今年一年、日本中をフィーバーの渦に巻き込み大きな社会現象になったのが『冬のソナタ』と韓流関連商品だった。主役のぺ・ヨンジュンやチェ・ジウだけでなく、他の韓国人俳優にも人気が集まり、来日の際には空港に多数のファンが集まるフィーバーぶりをみせた。『冬のソナタ』は一昔前にあったような純愛の世界を描いたドラマであり、「還流」商品の代表作とも言える。

同じく恋人を白血病で亡くした主人公の純愛を描いた『世界の中心で、愛をさけぶ』も、小説、映画、主題歌、ドラマともに大ヒットとなった。これも「還流」商品の一つと言える。

また、激戦区の緑茶市場で、サントリーが京都の老舗茶メーカー福寿園と提携して発売した「伊右衛門」も、伝統の緑茶の味が支持されて、シェアを大きく伸ばした。

お酒の市場で今年見直された「還流」商品は芋焼酎である。品薄から、高値で取引されるプレミア焼酎も登場した。

コンパクトカーが売上台数の上位を占める車市場で、久々に上位のランクに食い込んだ高級セダンが新型クラウンである。

また、みなとみらい線の開通により街に人が「還流」してきたのが、元町・中華街である。


記録への挑戦

オリンピックイヤーであった今年は、時差で放送が深夜になったにも関わらず、日本中がアテネオリンピック放送に沸いた。日本は東京オリンピックにならぶ16個の金メダルを含む過去最高の37個のメダルを獲得した。

また、このオリンピックを迫力のある大画面で見たいという消費者ニーズから薄型テレビが好調であったが、そのなかでも「アクオス」が大きく売上を伸ばした。

米大リーグで、84年ぶりに年間最多安打記録を塗り替える262本のヒットを放ったイチローの活躍も、毎日のように日本のマスコミで報道された。


新しさへの挑戦

デジタルオーディオプレイヤーでは、斬新なデザインと最高10,000曲を持ち歩ける機能性から「iPod」が人気を集めた。

白物家電市場で大きなヒット商品となったのがななめドラム式洗濯乾燥機である。ドラムを斜め30度に傾けた新しい構造が、洗浄性能と使いやすさの両立を実現した。

携帯電話では、NTTドコモの第三世代携帯「FOMA」がドラゴンクエストなどのゲームや着うたなどの新機能を搭載した「FOMA900i」の登場によって契約者数を大きく伸ばした。

スナック菓子市場で人気を呼んだのが、世界一辛いと言われる唐辛子ハバネロを使った「暴君ハバネロ」である。

健康志向の高まりからサプリメント市場が伸びているが、そのなかで急速に売上を伸ばしたのがコエンザイムQ10である。従来は医薬品であったが、食品としての使用が認められサプリメントとして販売できるようになったものである。健康ブームのもう一つのキーワードは「黒」である。ココアにイソフラボンを多く含む黒豆を混ぜた「黒豆ココア」と飲用の黒酢が人気を集めた。

すっかり日常生活の一部になった感がするインターネットであるが、ネットオークションを利用する人が増えてきた。最大手ヤフーの今年の取扱高が5000億円を超える規模になったという。

また、お酒の市場では、原料に麦や麦芽を使わないビール風飲料の「ドラフトワン」が低価格を武器に売上を伸ばした。

メンズファッションの分野では、足を長く細く見せる美脚パンツが注目を集めている。従来ファッションと言えば女性が主役であったが、今年はメンズファッションでもこだわりが生まれている。

合併問題などで揺れた日本のプロ野球界では、新しく楽天イーグルスが誕生した。


待たれる21世紀型ヒット商品

大量生産・大量消費の時代が終わり、地球環境の保護や持続可能性への配慮が重要な課題としてクローズアップされるようになった。また、各個人のニーズが多様化し、個々のニーズに細かく対応した商品が求められるようにもなってきた。さらに高齢化の進行がもたらす問題の解決も急務である。これからのヒット商品は、これらの課題をクリアしていることが望まれる。そのような21世紀型のヒット商品の登場が大いに待たれるところである。


本表は相撲の番付の形式を採用しているため、「東」と「西」に別れていますが、選ばれた商品と地理的な東西の関係はいっさいありません。対象となる商品は、個別の商品だけでなく一定のカテゴリーの商品群や人物・社会現象などを含みます。番付の順位は、出荷台数・売上高等の実績だけでなく、その商品がマーケットに与えた意義やインパクト・今後の成長性などを総合的に判断して決定しました。


各種お問い合わせや資料請求についてはこちらから