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SMBCマネジメント+(プラス)

薮中 三十二 氏

若者の視線のその先

20歳を過ぎたばかりの若者たち二十数人、大半は学部の大学生だが、中には大学院の学生や社会人もいる。そうした若者達が熱く議論するのを見守り、自分もその輪に加わる。議論のテーマは、米中関係といった外交問題だけではなく、ゲノム編集効果、障害者問題、外国人労働者の生活とさまざまで、若者たちの視線で関心のある問題を彼らが選ぶ。

月一回、土曜日の午後、5時間あまりの集まり、そこでの議論のため、事前の準備を一生懸命やってくる。とにかく、はっきりと自分の意見を主張し、議論に加わらなくてはいけない。初めは、恐怖感を持ったけど、2、3ヵ月で、慣れました!と言う。遠慮なしの議論、戦いが済むと食事をしながらの語らいが夜更けまで続く。

これはグローバル寺子屋「薮中塾」の光景である。寺子屋が始まって6年目を迎えた。毎年20名あまり、すでに120名が仲間入りし、まるで家族のような繋がりが生まれている。OB、OGになり、アフリカやインド、中国、英国と世界中に出かけて行く。東京に出て行った者も多く、東京会も盛んになった。

グローバル人財を育てたい、そんな思いで始めた取り組み。とにかく、日本の社会では毛嫌いされる議論をすること、しかもロジックを持った議論を。これを日本語にすると、「口数が多く、理屈っぽい」、日本では、最悪の人間、嫌われること間違いない。

しかし、若者がそんな議論をしながら、とても仲良くなっていく。京都で開く寺子屋に、関西だけでなく、今年は東京から3人、さらには福井や島根からもやってくる。夏の合宿には多くのOB達も駆けつけてくる。

若者たちのエネルギーはすごい。今ごろの若者は、のんびりと日本のぬるま湯に浸かってしまい、外国などへは行こうとしない、そんな先入観を持っていたが、なかなかどうして、捨てたものではない。というより、僕なんかより、はるかにダイナミックで、軽々とアフリカなどに出かけて行く。

これから、どんな世界で活躍してくれるのか、楽しみにしながら、こちらも体力勝負、いましばらくは負けてはおれないと気合を入れる日々である。



※本原稿は「SMBCマネジメント+(プラス)」2019年8月号(8月1日発行)に掲載されたものです。


マネプラ・オピニオンについて

ビジネス情報誌「SMBCマネジメント+(プラス)」にて、下記の6名の識者の方々が、自身の視点でまとめた経営者へのメッセージを巻頭コラム「マネプラ・オピニオン」として連載しています。

【執筆者一覧】 2019年4月号~

  • 大隅 良典 氏(東京工業大学科学技術創成研究院 栄誉教授、公益財団法人大隅基礎科学創成財団 理事長)
  • 北岡 伸一 氏(東京大学 名誉教授、独立行政法人国際協力機構(JICA) 理事長)
  • 白川 方明 氏(青山学院大学国際政治経済学部 特別招聘教授)
  • 髙橋 政代 氏(理化学研究所 生命機能科学研究センター
              網膜再生医療研究開発プロジェクト プロジェクトリーダー)
  • 薮中 三十二 氏(立命館大学国際関係学部 客員教授)
  • 清家 篤 氏(慶應義塾 学事顧問)

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