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SMBCマネジメント+(プラス)

薮中 三十二 氏

オンライン授業の風景

大学の授業もオンライン。担当する大学院のクラス、37名の学生達がいるが、多くは海外からの留学生で、国籍も様々、そして日本にやってこられず、母国に滞在している学生も多い。夕方4時からの授業で、ライブでやっているが、時差がある。アジアの学生は時差が1、2時間で午後2~3時、ヨーロッパも時差が7、8時間で朝の8~9時と問題がない。ところが、アメリカ東部の学生もいて、13時間の時差、朝の3時と悲惨だ。

そうした問題を抱えながらの授業、慣れないZoomを使い、あれこれ試行錯誤が続く。「さあ、どうだ、君はどう考える?」と問いかけるのもなかなかうまく行かない。学生との対話を重視してきた授業だけに、もどかしい思いでスタートした。

ところが回数を重ねるにつれ、リズムが出てきた。授業開始時刻の半時間前から入って来る学生たち。気安く、「先生、元気ですか?」と問いかけてくる。この機会に大画面のパソコンを購入したが、これだとみんなの顔がはっきりと映し出され、親近感が湧いてくる。「おお、元気だよ。君は?」と対面の授業よりも距離が近くなった気もする。そして授業が始まり、質問の応酬で、気がつくと午後6時、すでに2時間が経っている。90分の授業が大幅に超過しているが、学生の質問や発言が終わらない。

いつものようにパワーポイントの資料を作るが、映像で流すものだから、気が抜けない。しっかりと準備する。授業の直後に、ギニアからの留学生が「この授業、とって良かった!先生、ありがとう」とメールをくれた時はうれしかった。

そうは言っても、オンラインだ。相手の生の表情がわからない。突っ込んだやりとりもいまいち、うまく行かない。同じことは自分でやっている寺子屋でも起きている。相手の顔を見て話すことの大事さ、そして議論の後、たまには夕食を交えながらの懇談、そうしたことの有り難さを改めて感じつつ、秋から無事、対面授業が再開することを願っている。



※本原稿は「SMBCマネジメント+(プラス)」2020年8月号(8月1日発行)に掲載されたものです。


マネプラ・オピニオンについて

ビジネス情報誌「SMBCマネジメント+(プラス)」にて、下記の6名の識者の方々が、自身の視点でまとめた経営者へのメッセージを巻頭コラム「マネプラ・オピニオン」として連載しています。

【執筆者一覧】 2019年4月号~

  • 大隅 良典 氏(東京工業大学科学技術創成研究院 栄誉教授、公益財団法人大隅基礎科学創成財団 理事長)
  • 北岡 伸一 氏(東京大学 名誉教授、独立行政法人国際協力機構(JICA) 理事長)
  • 白川 方明 氏(青山学院大学国際政治経済学部 特別招聘教授)
  • 髙橋 政代 氏(株式会社ビジョンケア 代表取締役社長、理化学研究所 生命機能科学研究センター
            網膜再生医療研究開発プロジェクト 客員主管研究員)
  • 薮中 三十二 氏(立命館大学国際関係学部 客員教授)
  • 清家 篤 氏(慶應義塾 学事顧問)

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